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見た作品の感想や日々思うことを雑に書きます

Re:ゼロから始める異世界生活(アニメ) 感想

見終わったので感想をまとめておく。原作は未読。ネタバレあり。

 良かった所

声優の演技が良い

全体的に声の演技がとてもよかった。特に主人公のスバルは醸し出される小物っぽさが絶妙な一方で、中盤での感情の吐露は心に訴えるし、終盤ではスバル自信の成長も相まってその軽口がむしろ心強く見えてくる。そして中盤以降の敵であるペテルギウスがなんとも狂気的でアニメ上のラスボスにふさわしい。ヒロイン勢の声もとても可愛く聴いていて心地が良い。

続きが気になる構成

OP/ED曲を省略して話の展開に当てることが多い。一件落着したかと思えばED曲が流れている最中にも話が続き、終わり直前で次への謎を残して終わる…など、続きが気になる引きで各話を幕引きすることが多かったと思う。このためついつい続きを一話、もう一話と見てしまった。

安定した絵

絵に関して違和感や不満を感じることがほとんど無かったように思う。おしなべて安定していて、バトルシーンではよく動いていた。

 

気になった所

話としては半端な所で終わる、話の核心に触れる気配がない

まだ続いている原作、それも結構長い作品をアニメ化する上では仕方のないことだが、話の核心にはほとんど触れずに表面的な所までで終わったなあというのが正直な所。なぜスバルはこの異世界に来たのか・スバルがなぜ魔女に愛されているのか・エミリアの出生は・魔女とは何か・エミリアが王を目指す理由とは・そして最終的なスバルとエミリアのゴールは何なのかなど…。少なくともアニメ化されている場面までではこれらは未だ謎のままであり、風呂敷を畳む気配は微塵も感じさせなかった。このため消化不良の感が残り、ここまででは話全体としての評価は下せないのがなんとも歯がゆい所。

能力の都合上、話の進行がゆっくり目

死に戻りという能力上、アドベンチャーゲームで言えばバッドエンドを全部踏みつつその都度正しい選択肢を選び直して進んでいくような進み方をするので、作中の時間軸として見れば行ったり来たりして焦れったいことがあった。

18話までのスバルには入り込めない

現実世界でスバルがどのような人生を送ってきたかの描写がほとんど無いため、なぜそんなにスバルが捻くれているのか、そしてなぜエミリアに惚れたのかが視聴者としては実感ができない。このため中盤におけるスバルの空回りっぷりを冷めた目で見てしまう。18話でフォローが入るのでそれ以降はその感覚は薄れるのだが。また普通なら現実世界へどうやったら帰れるかを考えたり家族の心配をするのだろうが、そういったことを一切しないのも気になる。一切を顧みたくないほどに現実世界での人生が辛いものだったということなのだろうか…。

ついでに言うと何度も殺し/殺されたレムとスバルがいつの間にかデレデレの関係になっているのも少々違和感がある。

スバルの他作品のパロディセリフがちょっと気になる

「知ってる天井だ」「男は度胸!なんでも試してみるものさ」のようなパロディセリフが時々スバルの口から出るが、シリアスな雰囲気を冷ます感は否めなかった。まあ現実世界からやってきた人間なんだぞということを示す要素ではあるし、それもスバルらしいといえばらしい。

 

総評

ラノベ原作のアニメ化としてはかなり良いレベルだったのではないかと思う。ヒロインは可愛く、バトルシーンはよく動き、話の障害を突破したときの爽快感もある。一方でまだ話の最初の方しか見せられていない感覚であり、話全体として評価することが出来ないのがなんともむず痒い。2クールという枠組みに合わせて話や設定をオミットすることなくアニメとしてもそれなりに風呂敷を広げたからには、続きのアニメ化も視野に入れているのだとは思うが…続きがあることに期待したいが、もう2クールあっても大団円には至れないだろう。ただ数話単位の括りで見れば文句なしに面白い作品である。