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見た作品の感想や日々思うことを雑に書きます

クオリディア・コード 感想

 結構前になるが見終わったので感想をまとめておく。小説は未見。ネタバレあり。

 良い所

千種兄妹のキャラがいい

後述するが作画の件以外では千葉の千種兄妹目当てで見ていた所は大きい。表立ってベタベタはしないもののお互いのことを良くわかっているっていいよね…。千種兄とすざくんの絡みも結構好き。

まあ千種兄が悪目立ちしすぎと言えなくもない。他のメンバーが脳筋寄りなのでどうしても真相に近づくのは霞の役割になってしまう。

 

気になった所

敵方の動機が分からずじまい

話の根幹たる敵方の動機が結局明示されないままなんとなく話が終わってしまうのがなんとも消化不良な所。敵は敵で自分の意思を持っており人間との意思疎通も可能であり絶対的な悪というわけではないんだよというのは一応布石はそれなりに打っていたのだが、それをわざわざ示しておきながらお互い深くは語らず聞く耳も持たず、殴り合って負けたほうが退場するだけという結末はあまりにもったいなさすぎる。

また敵がそれなりに理性的な存在であるならばこのような<世界>を作り出したのにも相応の理由があるべきだが、そこも語られないため何が何だか分からないまま終わってしまったという印象がある。前日譚として一話くらいは必要だったと思う。

ついでに言うとこのお陰で青生が敵方に付いたのも不自然に感じてしまう。

こういう半端な締め方をするのであれば敵方を攻撃的なインベーダーみたいな絶対悪にしてしまった方がまだよかった。

今後フォローする機会があるとすればノベライズ版だがどうなるか…。既に発刊済みの小説は前日譚のようなので…。

固有用語の説明なしで話が進む

進入不可領域とは結局どういったものだったのか、適応係数とは、内地送りとは、統合データリンクとは、なぜ固有能力を<世界>というのか…といった固有用語の説明がほとんど無いため視聴者として置いてけぼりになることが多々あった。ちゃんと設定されているのか疑いたくなるレベル。普通は主人公かおバカキャラが「○○って何?」と聞くのだろうが、主要人物中でそれが唯一担えそうなカナリアが早々に退場したせいもあるだろう。

内地とはどこだったのか、内地送りになったあの東京の生徒がどうなったのかくらいはフォローしてほしかった。世界についても、コールドスリープ中に見た夢によって能力が異なるという設定があるようなのだが、作中でその夢についての描写があった記憶がない…。

作画

見ている人ならわかってもらえると思う。久々にすごいものを見た。製作側には申し訳ないがどんな作画が見られるか逆に楽しみになっていたレベル。最終話においては止め絵はある程度の水準は保っていたものの、バトルシーンの省略が多く緊迫感のないラストバトルとなった。

ただ場面の重要度に応じて最低限締める所は締めていたと思うのでそこは評価したい。秋アニメで既に放送延期されているアニメがある一方で本作はスケジュール通り進めることを優先した結果だろう。

 

総評

素材はいいものの、料理人のレベルが追いつかないか尺が短すぎて名作になりそこねた作品という印象。世界観や固有用語の導入を丁寧に行って視聴者を引きつけ、すべてに決着を付けたなら名作になったかもしれないが、この設定でそれをやろうとするとおそらく1クールでは無理だろう。最初から2クールでやるか、1クールでやるなら話とキャラ関係を単純化すべきだった。

この手のシリアスもので複数人での共同執筆?がうまくいった例はあるのだろうか…