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見た作品の感想や日々思うことを雑に書きます

新世紀エヴァンゲリオン(アニメ)感想

シン・ゴジラを見たのでついでにエヴァのアニメも見返したのでざっくり感想。Air/まごころを君には随分前に視聴済み。

良い所

キャッチーな要素にあふれている

自分にしか動かせない巨大ロボット(ロボではないけど)、可愛い女の子とお姉さんに囲まれた上に共同生活、そして多少のお色気。いわゆる「萌え」と「燃え」が高水準で共存している。特に驚いたのは「萌え」なシチュエーションが昨今の深夜アニメと比較しても高水準だと感じたこと。耐えない戦いという状況下ゆえに吊り橋効果が強く働いているからヒロイン達がより魅力的に見えるのかもしれない。

戦闘シーンで絵がよく動く、絵が崩れることがない

エヴァVS使徒の場面は非常によく動く。多くを曲線で構成された人型のエヴァンゲリオンをこれだけ絵として動かすのは難しいとは思うが、それを違和感なくこなしており、本作の「燃え」を高水準なものとしている。また後述するように作画の省力化はあるものの、キャラクターに違和感を覚えるほど絵が崩れるということがなく、一定水準を保っているのはすごいと思う。

主要キャラが各々バックボーンを持ち思惑を持って動いている

メイン3名にきちんと背景が設定されており、エヴァに乗る理由を持っている。加えてゲンドウ、冬月、ミサト、リツコ(加持は微妙)にも各々背景が設定されており、別々の思惑を持ち行動している(特にミサト)。これによりキャラクターがなぜそのように考え行動したのかという所に違和感を抱くことがない。シンジが主人公ではあるが群像劇のようにも感じられる。

 どうとでも妄想できる状態で結末を迎える

話としては風呂敷を広げたまま終わったような状態ではあるが、それでも各種設定は矛盾しない状態で存在しており、話にも矛盾するところはないと思う。未完のような状態ではあるものの、最低限整理は行われているおかげで視聴者による考察の余地が残っており、これを使った考察合戦もブームを後押ししたのだと思う。そこまで意図的かは不明だし、そもそも禁じ手ではあると思うが…

 

気になった所

全体のペース配分はいまいち

使徒をすべて倒すまでに話数を使いすぎたことと人類補完計画に至る前振りが計画的に進まなかったことから、人類補完計画を巡る争い(おそらくゼーレVSゲンドウVSミサト)に持ち込みきれないまま最終話を迎えてしまったという印象。スケジュールの問題もあったとは思うが、本筋とは関係ない方向に尺を使ってしまったことも原因と思う。特にジェットアローン回は使徒を倒すでもないので無くとも話は通ってしまう。またリツコとその母親とマギに絡むエピソードも面白かったが、本筋への寄与度を考えればオミットしても良かった所だろう。

後半に行くほど増える回想・過去絵と止め絵

14話は前半は総集編、後半は過去絵の使い回しで実質的に総集編と言ってよういだろう。20話以降は過去の回想や止め絵のシーンが多くなる。人類補完計画の性質やエヴァの設定上、人のこころには触れざるを得ないとは思うが、それぞれが己のこころと向き合っている尺が長く、またこれだけ過去絵が多く使われていると、スケジュールの都合で省力化を図るためこのような展開にしたのではないかと邪推してしまう。止め絵としてはアスカとレイのエレベーターのシーンと初号機がカヲルを握るシーンが印象的で、後者はシンジの葛藤の時間と捉えることが可能だが前者はただの尺稼ぎに見えてしまう。

 

総評

PC作業の合間に流し見するつもりだったが最初から最後まで一気に見てしまった。やはり面白いし、力を入れて作られているし、女の子は可愛いし、20年前という古さを感じさせない。それだけに全てに決着をつけないまま終わってしまったことが残念。

 

蛇足

  • 強いて言うならミサトとリツコの眉の太さは時代を感じさせる。
  • これはどう見てもミサトさんルートだろ→加持に取られる→やっぱレイだよね→自爆しちゃう→アスカしかおらんやんけ!→廃人化 …冷静に思い返すと結構酷い気がする…
  • 「さよう」マンナニモンだよ…